ご来院・ご利用の皆様へ
東口病院は昭和57年5月に永井先生、大橋先生のお二人が開院され、消化器外科を中心として地域に根ざし、地域の方々のニーズに応える医療を第一の目標に診療を行ってきました。そうしたなかでご縁があり私は平成25年5月より東口病院の一員として診療に参加させていただいていましたが、令和元年5月に永井先生、大橋先生から引き継ぎまして、理事長という大役を仰せつかりました。その重責に身の引き締まる思いです。これまでの38年間に築かれた東口病院を礎として、永井イズム・大橋イズムを継承しながら、さらに発展させるべく努力をしたいと決意を新たにしています。これからの東口病院も、消化器外科、内科を柱に特色ある診療を行っていきたいと思っています。東口病院は47床の小規模病院です。消化器外科の診療の中心と言えば消化器癌の手術ですが、それは地域の癌拠点病院にお任せして、私どもはそうした大病院ではどうしても癌の治療の後へと回されてしまう鼠経ヘルニア(脱腸)、胆石、下肢静脈瘤などの良性疾患の手術を主に扱っていきます。今年4月には長野市民病院から宗像先生を院長として当院にお迎えし、腹腔鏡手術を行う体制が整いました。宗像先生は、もうご存じのことと思いますが、長野県で腹腔鏡手術を始められた先駆者の一人であり、腹腔鏡手術の第一人者であります。小規模病院の利点である風通しの良さを活かしながら、腹腔鏡手術を積極的に取り入れ、患者さんをお待たせすることなく手術を行っていきたいと思います。さらにこれからは急性虫垂炎、急性胆嚢炎などの緊急手術にも、腹腔鏡手術で対応できる体制を作っていきたいと考えています。
また東口病院では以前から「苦痛の少ない胃や大腸の内視鏡検査」を心掛けており、地域の皆様にご評価をいただいていると自負しています。今後も苦痛の少ない内視鏡検査を積極的に行い、さらにこれまで通り内視鏡下での胃や大腸のポリープ切除術も行っていきたいと思います。しかし現状当院では10mmを大きく超えるような病変の切除は難しく、将来的には広範な切除を含めた内視鏡的治療が可能となる病院を目指します。
そのほかに信州大学から月に1回専門の医師に来ていただいている甲状腺外来、週に1回の浦山先生の血管外科外来、小口先生の循環器内科外来、そして各種健診、人間ドックも地域のニーズにお応えするために、今までと変わらず継続して診療を行っていきます。
私どもの東口病院で全ての疾患の、全ての治療が完結できるわけではありませんが、「おなかの具合が悪い」ということがありましたら、まず東口病院を思い浮かべていただけるような、この地域で唯一無二の病院を目指して行きたいと思います。
何卒宜しくお願い致します。
令和2年5月
医療法人社団ひよし会 東口病院
理事長工藤 道也